EP5 黒風の塔【FE風花雪月】

紋章を持たざる者の反乱は、
セイロス教の禁忌タブーを明るみにしてしまった!
紋章を持たないマイクランは「英雄の遺産」を盗み、それを使った。
彼は予期せぬ化け物へと姿を変え、
大司教レアはその事実を口外こうがい禁止とした。

紋章をめぐる確執

ファーガス神聖王国領のゴーティエ家でお家騒動いえそうどうが起きたらしい。
「英雄の遺産」と呼ばれる武具の1つ
破裂はれつの槍」が、廃嫡はいちゃくされたマイクランによって盗まれたという。
家督かとくを継げなかったことを恨んでの犯行のようだ。

「英雄の遺産」はかつて女神が人に与えた聖なる武具。

今月の青獅子の学級に与えられた課題は、
ぞくと化したマイクランを討伐し、破裂の槍を取り返すことであった。

盗まれたものがセイロス教ゆかりの品だからこそ、
他国の一領主のお家騒動に警察権を行使するのだろうか。

ちなみゴーティエ家の長子マイクランはシルヴァンの兄である。

シルヴァンは「紋章」を持って生まれたが、
マイクランにはなかった。

「紋章」さえその血に宿していたら家督を継ぎ、
所有できたはずの破裂の槍。
それを盗んだ

紋章を持って生まれたことで兄を苦しめ、
ついには今回の暴挙ぼうきょを誘発させることになった、
弟シルヴァンの思いは複雑だろう。

メルセデスとの会話より

玄関ホールでベレトと話していたディミトリの前に、ある人物が現れる。
ディミトリの亡き父の親友であったロドリグ
小さい頃から家族ぐるみの付き合いがあり、
特に4年前に父親を亡くしてからは
家族のように世話を焼いてくれている。

ロドリグが王国のフラルダリウス領から大修道院へ出向いた用向きは、
やはりゴーティエ家の問題であった。
賊徒と化したマイクランは、
ゴーティエ領に隣接するフラルダリウス領に逃げ込んで
略奪を繰り返しているのだという。
マイクラン討伐の打ち合わせのための訪問であった。

ハンネマンに呼ばれていたベレトは、彼から1つの事実を知らされる。
ベレトが宿している紋章の正体
--それは「炎の紋章」ファイアーエムブレム。

解放王ネメシスの死後、千年以上途絶えていた紋章であった。
ベレトはネメシスの再来ということなのか。

コナン塔を前にして

場所は王国領、マイクランが根城とするコナン塔の付近である。
北の国境であるため北方民族からの侵攻をたびたび受けた歴史があり、
コナン塔はその最前線の拠点であった。
賊が相手とはいえ攻略するのは容易ではなさそうだ。

途中で見た村々の略奪された有様は酷く、
ディミトリは強くいきどおった。

シルヴァンは兄を討つ覚悟が決まったのか、
落ち着いた様子でディミトリに冷静になるよう促す。

マイクランの最後

上階から降ってくる矢に手こずりながらも、
マイクランを最上階へ追い詰め、ついに討ち取る。

そう見えた時、「破裂の槍」が異常をきたし、
黒い影がマイクランを襲う。

あまりに異常な光景に、誰もがその場を動けずその様子に見入る。

そこに出現したのは巨大な化け物だった!

だだの化け物ではない。
周囲に取り巻く不気味な障壁しょうへきが攻撃をさまたげ、
取り払っても取り払っても再生する。

生徒たちは連携して障壁をこじ開け、
そのわずかな隙間すきまから攻撃を打ち込み、
最後は弟のシルヴァンがとどめを刺した。

不都合な真実

無事に「破裂の槍」を回収したベレトは、
大司教レアに報告に上がる。
そこでレアは、
マイクランが化け物に変身したことを強く口止めするのだった。

もしそれが世に広まれば、貴族の権威は地に落ち、
フォドラ全土が混乱に陥るのだという。

不都合な真実ということだろうか?

もしそうなら、今のフォドラがセイロス教によって秩序を保っているのは、
いつわりの権威によるもの、そういう理屈にならないのか。

フォドラ貴族の起源は、
女神から「紋章」と「英雄の遺産」を授けられたという、
セイロス教の伝承から成り立っているのだ。

つまり、化け物を生み出したのは女神だ、ということになる。

そう考えると、大司教レアに不満をもつ勢力には、
それだけの正当な理由があるのかもしれない。

レアが彼らを一顧だにすることなく処刑する態度も、それを裏付ける。

……ともかく、
「英雄の遺産」を使う資格の無い者がそれを手にすると化け物になる。
それは他言無用の禁忌タブーのようだ。

「破裂の槍」はゴーティエの正式な継承者であるシルヴァンに返還された。

青獅子の教室で、
ディミトリが紋章と家督の関係について教えてくれた。
紋章を持たなかったために、長男を廃嫡したゴーティエ家。
ディミトリは紋章の有無で人を判断する世の中に不満を持っているようだった。

紋章を持つ者も持たざる者も、
お互いを認め合い、少しずつ譲り合う。
そういう世の中を理想としていた。しかし、

「どうしてもゆずれない何か」

それを誰もが持っているのだという。

他者の大事なものを受け入れるのか、それとも、
――切り捨てるのか

ディミトリの考えはその狭間はざまで揺れ、
ベレトに回答を求めているかのようだった。

--。
そんな折、セテスの最愛の妹
フレンが行方不明になったという一報が入る……!

前へ  次へ
目次