賊との戦いで、人に手をかける経験を初めてする生徒たち。
その思いはそれぞれ違っていた。
その中でディミトリは、時おり悲しげな表情を見せるようになる。
エーデルガルトとの関係も、複雑なものがありそうだった。
初の実戦
青獅子の学級に与えられた今月の課題は、盗賊討伐だった。
生徒たちにとっては初の実戦となる。
父ジェラルトは、ベレトが人と関わらないように
これまで配慮してきたらしい。
ベレトに感情が少ないことと何か関係があるのだろうか。
ジェラルトはやはり、
ベレトに過剰な信頼を寄せる大司教レアの真意を測りかね、
疑っているようだ。
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悲しげな表情
騎士団が盗賊を谷へと追い込み、
生徒たちの課題への段取りをつけてくれた。
さっそく出陣の準備に取りかかる。
初陣の生徒たちはどこか楽しそうだ。
しかし会話の中でディミトリの顔に悲しみが差す。
彼の両親はもういない。
その事実が彼の表情を暗くさせた。
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初実戦の感想
追い込まれた盗賊団は最後の抵抗を試みる。
8人の生徒たち全員が、初めて人に手をかけた。
その感想はそれぞれ違っていた。
実戦で通用してホッとする者、
殺らなければ殺られていた現実を直視する者、
割り切って気持ちを切り替える者、
もっと斬りたい者、
神に祈る者、
それぞれだった。
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2人の距離感
大修道院へと戻ったディミトリは、
玄関ホールでエーデルガルトを見かける。
これから課題へ行くらしい。
彼女を心配し、注意を促す。
気を張っていたのか、
エーデルガルトはディミトリの助言を迷惑そうに一蹴する。
「私を見くびっているの?」
詫びるディミトリ。
2人の距離感は、ただの学友とは異なるようだった。
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盗賊団と戦ったザナドと呼ばれる谷は、
どうやらセイロス教の聖地だったらしい。
女神を信仰するセイロス教。
ザナドはかつて女神が降臨した場所だった。
そうした知識を父ジェラルトから教えられていない
ベレトの様子を見て、大司教レアは落胆する。
フォドラの人々に広く信仰されているセイロス教。
ジェラルトが大修道院を離れた理由は、
セイロス教との決別にあったのだろうか。
ベレトの中に住み着く謎の少女ソティスは、
ザナドの谷を懐かしく思ったという。
「かつてわしは女神と共にそこに住んでいた気がする」
となればソティスは過去の人間で、
心残りために成仏できず地上を彷徨い、ベレトに取り憑いた。
そういう見方も可能だった。
そう指摘するとソティスは否定し、ひどく怒った。
彼女は何者なのか。
なぜベレトの中にいるのだろうか。
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