EP15 煉獄の谷【FE風花雪月】

援軍を連れきたロドリグ。彼はディミトリに王都奪還を進言する。
今なお王土を守ろうと徹底抗戦している彼の言葉は重い。
しかしディミトリは「そんな暇はない」と一蹴する。

援軍要請

ロドリグからの援軍は「煉獄れんごくの谷」の異名をもつアリルに
到着するという一報が入った。
アリルは王国とレスター諸侯同盟の国境にあり、
人を寄せ付けぬ灼熱の地である。
この場所であれば、帝国に動向を悟られることなく合流できるだろう。

しかし、その情報は大修道院に紛れ込んでいた帝国の間者により、
筒抜つつぬとなっていた。

煉獄れんごくの谷と呼ばれるわけ

煉獄れんごくの谷アリルはひどく暑い。
今にも火を噴きそうな火口にいるようだ。
こんな場所になってしまったのは、
かつて女神が堕落した人間に怒り、焼き払ったからだという。
「煉獄」とは罪を浄化することだった。

以前に大司教レアは
「女神にもう一度この世界を支配してもらいたい」
そう望んだ。
女神にとって人間とはどういう存在なのだろう?
罪を犯せば容赦なく焼き殺すのだろうか。

あまりの暑さに、メルセデスは幻覚を見る。
大勢の人間が谷の上からこちらを見下ろす姿が見えるのだ。

それは幻覚ではなく、王国を裏切ったローベの軍勢だった!

忠臣グェンダルの最後

ローベの老騎士グェンダルは死に場所を求めていた。

王国を裏切った愚かな主君であっても、
忠義をまっとうするのが騎士の道である。
巧みに挟撃戦術をとってくるが、
ロドリグの援軍が到着すると総崩れ。

最後は騎士らしく華々しく散った。

諫言かんげんする忠臣ロドリグ

ロドリグはフェリクスの父親なだけあって、
ディミトリに対して怯むことなく意見をできる人物だった。

ディミトリの激変に対しても、ほとんど気にしない様子だ。

生まれた頃から見てきているためか、
父親のような包容力でディミトリを見ているのかもしれない。

王都で政変が起こってディミトリが処刑されたと発表された時も
すぐさま王都に駆けつけて「英雄の遺産アラドヴァル」を
取り返すほど、王家への忠誠心が高い。

今回の件も二つ返事で援軍を率いてやってきてくれたわけだが、
そこには王都奪還への期待もあった。

親友であったディミトリの父親が生きていたら、
同じことを言うだろう。

そう言ってディミトリに迫った。

しかしディミトリの意志は変わらない
あくまでも帝国を攻める事にこだわり、
ロドリグの進言にまったく耳を貸さないのである。

……ロドリグは愛想を尽かすどころか、
自分も戦列に加えてほしいと言い出す。
突然の決断だったが、
こんなこともあろうかと領地の留守も任せてここに来ていた。

どうやら彼は、
王都奪還という利害だけで動いているわけではなさそうである。

亡き友との約束を果たさねば……

ディミトリの異常なまでの頑固さに、
何事か思う所があったのは間違いないが、
柔軟に自説を変えられる人物であった。

ディミトリの父との約束とは何だろうか

クロードへ協力を要請

援軍と合流し軍容が整ったところで、
帝国への進軍ルートを決める軍議が始まる。

そこで出た案が、
レスター諸侯同盟の内紛を利用するというものだった。
反帝国派のリーガン家
親帝国派のグロスタール家
レスター同盟の主導権をめぐって争っている。

グロスタール家を支援する帝国の動きを止めるには、
国境の川にかかるミルディン大橋を封鎖するのがもっとも有効だ。

つまり、王国軍がミルディン大橋を落とすことは、
反帝国のリーガン家当主クロードにとって好都合なはずである。

そしてディミトリたちにとっては、
帝国領土侵入への足掛かりを得ることになるのだ。

ディミトリとクロードの利害が一致する!

ただしリスクもある。
ミルディン大橋を領有するグロスタール家と帝国軍から
挟み撃ちされれば、たちまち王国軍は壊滅してしまうだろう。

クロードの協力がかかせないが、
果たして良い返事を聞けるのだろうか。

帝国派である級友ローレンツの領地を通過しなければならない

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